初日

どのくらい空き家のままだったかは分からないけれど、綺麗に使われた感じのある物件と出会えた。

空き家なりにカビや埃の類を溜め込んでいたであろうから入居前には清掃業者が入ったようだったが、見えているところだけのある程度を綺麗にした感じで靴下はすぐに白くなった。居間と台所、お風呂にはジャリジャリと砂や錆の破片が散らばっていた。

コーヒーと掃除機

2月9日に引っ越してきてからの数日はぐっすりと眠れずにいた。寒くて目が覚めたり、自分の部屋の匂いとは違うことに何となく落ち着かなかったり、カーテンがなくて外から丸見えでソワソワしていたし、3日目の夜に眠れずにいると窓明かりに照らされた床の汚れが浮き立っていたものだから、えいやとばかり床磨きに精を出したりしていた。なんと繊細で神経質な自分であったのかを知ることになった。

朝はというと、コーヒーを淹れてから掃除機をかけることを日課にしていて、掃除機をかけ終わる頃には部屋中がコーヒーで燻蒸されたかのような香りに包まれた朝になる。

果たしてこの日課はいつまで続くのか。。

流氷

漁港までは歩いて1分。

いつでも釣りができる。

そう思って見に行ったら漁港は結氷していた。

今年は暖冬といえどもまだ北海道の冬の底力は健在だ。

少し走ると流氷がみっちりと接岸していた。そのままゆっくりと野付半島まで走り夕暮れの流氷を眺めて過ごした。凛と澄んだ冷たい空気とシャラシャラと砕けた氷の粒が小さな音を立てていた。

ぼんやり考え事をしているうちに手足が冷たくなってきた。ぐんぐん気温が下がり始めると少しの風でも肌に痛いくらい刺してきてたまらず車へ戻り一息着く間も無く海と反対側の野付湾に夕陽が沈みかかっている。

本当に美しい土地だ。

陽が沈むとさらに気温が下がった。

途中、尾岱沼にある「野付温泉 浜の湯」の誘惑を振り払いながら今晩のご飯のことを考えていたが、まだガスも調理器具もない。

今日もスーパーの半額になったお弁当を買う。

もうしばらくこんな感じが続くかな。

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