春隣

そろそろ日向では地面を押し上げる準備をしている緑や黄の類が、そして空気は日毎に柔らかになってきているように感じるのと、家の隙間からやたらとワラジムシが出てくるのを見るとやっと春が来たのかなと思える。
いや、たまったものではない。

空気に色はないけど、それを淡く春色に見てしまうのは私的な都合だろう。先日から少しの間続いた吹雪は海面にビッシリと流氷を敷いていたけど今朝はまばらになっていた。その流氷も折り重なって砂まみれで角も丸くなっていた。

夜は帆立の紐と卵巣を使ってパスタを作って食べたが、ここに菜の花でも入れたら良かったと後になって気付いた。あの淡いほろ苦さは春の爽やかさによく合う。春そのものだ。ほろ苦さに旨みを突かれるなんて粋だね。

果たして春はほろ苦いのだろうか。

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