本別海

記事数 17
  • 暮らし

別海の夏

毎朝のルーティンのように日の出とともに起きて海へ行き写真を撮ったり釣りをしたりして思いのままの朝を過ごしている。元々は海から離れたところで過ごしていたから、海のそばで暮らすのは憧れていた。浜風の吹き付ける窓や玄関は砂が溜まってジャリジャリと音が鳴るのにはまだ慣れないが、そのドアを開ければすぐに広がる

  • 愛しき生き物

春の色々

昨日は力強い風雨がやって来て一日中横殴りの雨だった。強風は夜中まで続き朝方には少し青空も出ていた。春らしい天候とでもいうのか、気温は少し暖かい夜だった。その前夜は何か気配がして玄関を開けるとエゾシカが2頭こちらを気にすることなく草を食んでいた。その数日前には2kmほど離れた牧草地でヒグマがいたそうな

  • 別海町のこと

自然が教えてくれる

ヤウシュベツ川に掛かる万年橋を渡るとエゾシカの群れも川を渡っていた。ただ1頭の若いオスが氷が割れてしまい半身が落ちてしまっている。群れは彼を一身に見守り、やがて若いオスが何とか這い上がると開けた湿原を駆け抜けて行った。どれほど怖かったか、不安だったかは計り知れないが、生きることは死に物狂いだ

  • 愛しき生き物

春の陽射しと流氷の上のオジロワシ

風向きで流氷は沖から浜までやって来て海を真っ白に変えた。空気も水も冷やされて海風はビリビリと頬に冷たくて、両手はポケットに突っ込んだままになる。それでも今日は穏やかで暖かな一日だった。流氷の上にオジロワシが止まっていたのでカメラを向けるとすぐに警戒された。生き永らえる術はこの警戒心か。お

  • 暮らし

春隣

そろそろ日向では地面を押し上げる準備をしている緑や黄の類が、そして空気は日毎に柔らかになってきているように感じるのと、家の隙間からやたらとワラジムシが出てくるのを見るとやっと春が来たのかなと思える。いや、たまったものではない。空気に色はないけど、それを淡く春色に見てしまうのは私的な都合だ

  • 備忘録

2月の終わりの満月と流氷、父の置き土産

筆がすすまない。2月も終わる頃に父が急逝した。父のしんどくも精一杯生き抜いた軌跡を見付けた時には大きな後悔と悲しみに暮れたこの半月、ひと段落したので一旦戻ってきた。生前に受け継がなかったものを、聞きたかったことなど、あとは拾い集めて自分なりに解釈をして組み上げていくしかない。父が